TracK1

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「NoKの曲を知ってたら、歌い方とか雰囲気をそれに近づけようとする。そうしたらただのカラオケだ。俺がやりたいのは、そういうのじゃない。NoKとはまた違うものを作りたいんだよ」 「んんん? 難しいこと言われても、俺にはわかんねえよー」 「知らないなら知らないでいいってことだ。ほれ、NoKのアカウントはこれだ」  自分のスマートフォンを操作し、動画を出しているアイチューブのアプリを開く。そして、NoKのアカウントにログインし、アップした動画一覧画面を見せた。  NoKとして出した曲はここ五年ほどで十二曲。画面をスクロールすれば全ての曲が画面に表示される。 「これ全部野崎が作ってんの?」 「まあ、そんな感じ」 「へぇー……後で見とくわ」  名前ぐらいは知っている鋼太郎は、うんうんとうなずいた。 「よくわかんねえけど、キョウちゃん、すげーことしてんだなー」
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