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「俺はもう大切な人を俺のせいで失うのは嫌なんだよ!わかったらとっとと運転しろ!安全運転でな!俺は当主に連絡するから」
「ちょっ……えっ……もう一回……」
「うるせえとっとと出発しろ」
「へいへい」
夜遅くになってからA家へ到着した。仕切りに感謝の言葉を述べる当主とともに蔵へ行くと、金庫が最新式のタイプになっていた。何でも急いで取り寄せたらしい。そこへコトリバコを納め、レンタカーを含め俺たち全員の穢れを九条が祓った。俺は朱雀と白虎を還し、
「これで一件落着ですね」
と言った。
「本当にありがとうございます。あの、持ち出した女性の方の容体は……?」
「命に別状はないですが重傷の様です。狙われていた家族とその隣の家の方は軽症で済みました」
というと当主は大きなため息をつき、フラフラと倒れ込んだ。
「御当主!」
「いや、大事ない、大事ない……本当によかった……ありがとうございました」
「いえ、報酬の方は後ほど口座番号と金額をお伝えいたします」
「ありがとうございます。夜も遅いですし、今日はこちらへ泊まってはいかがですか?お疲れでしょう?家内も戻ってきますので是非泊まっておいでください」
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