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僕は帰り道を探している
「は?本気って」
高杉は驚いた表情で真壁を見つめる
真壁は急に告白してしまった事に恥ずかしくなり廊下に飛び出てしまった
「待てよ!真壁」
廊下を走る
何故あのタイミングで高杉に告白をしてしまったのかわからない
この気持ちを鎮めてくれる人は彼しかいないと感じた
答えが知りたくて苛立ちの中でいってしまった
「真壁!」
後ろから高杉の声がする
追いかけてきているのはわかる
でも立ち止まることができない
「真壁!待てよ」
後ろから高杉の声がする
告白した時の高杉の唖然とした顔を思い出す
高杉さんが僕のことを恋人のように好きになってくれるわけがない
真壁はオフィスの入り口まで走ってに戻ってくる
「真壁!行くな」
高杉が真壁の腕を掴む
二人の荒い息が静まり返ったフロアー内に響く
真壁は高杉の手を振り払う
「…なんで僕に、触るの…」
真壁の顔から涙が零れていた
高杉はため息交じりの息を深く付く
「お前を放っておけなかった
辛そうな顔をしてるから
つい追いかけてきてしまった」
高杉は視線を逸らすことなく真壁を見つめた
「そういうの簡単に言わないで…誤解するから…期待するから」
そう、僕は怒っているんだ
自分自身に
高杉さんが
欲しくて
欲しくて
ずっと、
朝の挨拶をしたときから
仕事中も
残業していてる最中でも
会社を入社して
この部署で高杉さんを一目見た時から
欲しいと思った
今は
もっと、
欲しくてたまらない
傲慢な子犬なんだ!!
「高杉さんは、男なんか…好きになったことがないから適当なことを言って僕を期待させないでください」
真壁は欲しいと願い気持ちを
自分を否定するように
自分に言い聞かせた
高杉は眉間にしわがより唇を噛む
真壁は涙を拭うと、
机のカバンを乱暴に取りオフィスを出ようとした
再び、高杉は真壁の腕を掴む
「行くなって言ってるんだろ?まだ話は終わっていない」
高杉は強引に真壁に詰め寄り机が当たる
机に当たった振動で
資料が地面に落ち足元に散乱する
「行くんじゃない、真壁」
強引に高杉は真壁にキスをした
強く絡みつく高杉の舌の感触がさっきまでの不安を全て掻き消した
(続くଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭✧)
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