迎屋

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一年後、吟羽はとある神社を訪れていた。 「森の神さん、いいや奏。久しぶり」 そう言って手をあわせる。彼はあの時、奏の身体を器としたお迎えをさせた。要は無理やり人間の魂を野生の魂に迎えて神の魂を作ったのだ。 「あんたが森の神になったもんだから偽人獣はいなくなって、迎屋もなくなった。だから俺は呑気に農家をやってる。音楽は……趣味程度かな。まあ、農業が意外と楽しくてさ。それで森の神さんに頼みがあって」  自分で言って少し笑みをこぼす。 「いい加減、雨を降らせてくれないかな?」  代わりにお前の大好きな笛を吹いてやるから、と吟羽は笑って奏に呼びかけた。
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