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誰一人お迎えに行く権利を掴めなかった彼らであったが、爺やはここぞとばかりに高らかに声をあげた。
「みんなの闘いぶりは凄まじかった。いいものを見させてもらったと心からワシはそう思っとる。しかし、このお迎えの権利は宙に浮いてしまった。仕方ないので、ワシが代わりに行くとするかの」
そう言って歩き出した背中に向かって、くま吉は一言呼びかけた。
「さっき、ママがたくまのお迎えに行っただによ」
「何じゃとぉー!!」
はてさて、この権利は一体誰が手にするのか。それはおもちゃたちの気分次第ということで。
時々おもちゃの位置が変わっていることもあるだろう。それはまた気まぐれに、何かを始めたおもちゃたちの仕業なのかもしれない。
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