退屈なお留守番

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こんなに長い時間会えないのは、いつの日かお別れするための試練とみんなわかってはいたが、その初日となる今日は彼ら(おもちゃ)にとって、頼もしいというよりは淋しい気持ちが強くあった。 「私たちも幼稚園に行ければいいのにね」 悲しげにラビリンがうつむくと、くま吉は優しく背中を撫でた。 「たくまのお話、楽しみだに。元気出すだに」 「そうね。明るい笑顔で向かえなきゃね」 「男は我慢がるる」 ウズウズしていたティラノンも、小さく(うなず)いた。 「ワシらはとても淋しいが、たくまにとっては大人になる大事な一歩じゃ。お主たちの気持ちは痛いほどよくわかる。その葛藤の中で待っている時間がどれほど長いか、たくまの帰りが待ち遠しいのも当然であろう」 爺やは続ける。 「それでも、少しでも早くたくまに会いたいと言うのであれば……」 「何でござるか?」 「良い案でもありますかな?」 しの介がピクリと眉を動かす。ソルも爺やの口振りが気になる様子。 「うむ。幼稚園までたくまのお迎えに行くのはどうじゃ?」
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