退屈なお留守番

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「お迎え選手権!?」 一同、目をぱちくりして一斉に声を大にした。 「どうじゃ? 一人だけなら、ママにも気付かれんじゃろう」 「それ、本気(ホンキ)?」 「本気と書いて、マジ目な話じゃ」 「全然面白くないけど」 「そこでじゃ、今から代表者を決めることとする」 「人の話聞いてないし」 ラビリンのつっこみに、爺やは動じない様子。ソルは競技の方法について気になるようだ。 「どのように決めるのでありますか」 「お主たちの得意技で競うのはどうかのぉ?」 「ならば、拙者の忍術に敵うものはおりますまい」 「おいらも破壊力なら負けないがるるー」 しの介もティラノンも、どうやら自信があるらしく、誰よりもやる気を見せている。 「くま吉はどうするの?」 「積み木だったら、この前たくまとお城を作っただに」 「では、棄権するのはラビリンだけでよいかの?」 「しないわよ! こうなったら、絶対優勝するわ!」 「司会進行はワシが務めるが、よろしいかな」 「もちろん!」 『お迎え』を()けた闘いが、いよいよ始まろうとしていた。
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