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「ぼく、明日から『幼稚園』に行くんだ!」
たくまの一言に、行儀よく並べられている一同は、一瞬ためらいと興奮を覚えた。
「幼稚園!?」
しかし、彼らは興味津々。たくまが息つく暇もないもほどみんな一斉に質問した。
「それは、何でござるか?」
一番に発言したのは、しの介だ。全身黒で覆われ顔ははっきりとはわからないが、忍者の姿をしている。
「面白いところだに?」
続いて手を上げたのは熊のぬいぐるみ、くま吉。心優しいくま吉は争い事が苦手である。
「お友だちたくさんいるがるる?」
前のめりに恐竜の形をしたクッション、ティラノンも反応する。背中の突起が揺れ動くのが特徴だ。
「うん! いろんなお友だちと遊んだり、お絵かきしたり、歌を歌ったりするんだって」
たくまはママから聞いて、ほんの少しだけどんなところか知っている。
「うわぁ、楽しそうだわね」
耳の長い白うさぎの小さなぬいぐるみ、ラビリンは興奮気味に耳をなびかせる。この中で一番小さなかわいらしい女の子だ。
「素晴らしい場所でありますな」
感動に胸を馳せているのは兵隊の、ソル。胸に勲章を付け、この部屋の秩序と安全をいつも見守っている。
「たくまは歌が上手いからのぉ」
木彫りの人形である爺やは、自分の髭をさすりながらたくまの話を聞いている。爺やは、ここのおもちゃ達の総長だ。たくまの部屋でこの世界を取り仕切っており、頭に眼鏡を乗せている。
何だかワクワクする場所であることに、みんな心を弾ませていた。
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