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朝たくまを見送った一同は、おもちゃ箱の中でひたすら時を待っていた。
「もう、幼稚園に着いたがるるかな?」
「きっとお友だちと一緒にお話してるだによ」
ティラノンとくま吉は、相変わらずたくまの様子が気になって仕方ないようだ。
待ちぼうけは、なかなか辛いものである。しかしまだ、たくまが出かけてから十分ほどしか経ってはいない。
「たくまがいないと、暇でござるな」
「ほんと、退屈よね」
「ここを守るに当たり、警備も味気ないと感じるであります」
しの介もラビリンも、どうやら時間をもて余しているようである。ソルまで気もそぞろのようだ。
ママのお買い物についていき、たくまがお出かけすることはあった。しかし一日中いないのは、何とも言えずみんな淋しく感じていた。
「ねえ、爺や。たくまはいつ帰ってくるんだっけ?」
しびれを切らしたラビリンが、ついつい聞いてしまう。
「ええと、確か……何時じゃったかの」
仕切り屋の爺やまでわからないとは、かなり長い間のようだ。
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