1-3 バフォメットの都市伝説

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イザホのメモ (10ページ更新・「NEW!」とついていない場合は、イザホのメモから戻るページ先以外は話数の冒頭(第3話は10ページ)から変更はありません) 【https://estar.jp/novels/25875424/viewer?page=34&preview=1】  店長さんは、10年前の事件について話してくれた。  10年前、この喫茶店セイラム付近のキャンプ地に6人のキャンプ客が訪れていた。事件が起きたのは、キャンプの初日を終えた翌日の朝だった。  キャンプ客の泊まっていたコテージの客室から、キャンプ客の小さな女の子以外が姿を消した。  キャンプ指導員と現地で合流した警察は5人の行方を捜したものの、見つからないまま1日が過ぎていった。  その翌日、小さな女の子までもが姿を消した。  慌てるキャンプ指導員と警察だったが、小さい女の子はすぐに見つかった。  コテージから少し離れた森の中、誰もいないはずの、廃虚。  女の子はその中で、膝に見知らぬ少女の生首を置いて、その生首に語りかけていた。  その床に散らばる、胴体、右腕、左腕、右足、左足……それら5つの部位は、姿を消した5人のキャンプ客の物だった。  この状況について女の子にたずねると、こう答えた。 「羊の顔をしたおじさんが、見せてくれたの」  警察は女の子からその人物についてたずね、犯人と思わしき人物像を聞き出した。  全身を黒いローブで身を包んだ、大柄な男。その頭には羊の頭が被っており、素顔はわからない。  その情報から犯人の行方を追う警察たち。  しかし、犯人の行方はおろか、5人のキャンプ客の他の部位、そして、6人目の被害者である生首の身元すら分からないまま、事件は迷宮入りした。  それから、この街に奇妙な都市伝説が広まった。  真夜中の森を歩くと、羊の頭を持った悪魔“バフォメット”に襲われる。  もしも捕まってしまうと、体の部位をひとつ切り落とされ、  裏側の世界に連れて行かれる……
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