1-5 作品と赤い絵の具と割れた顔面と

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・イザホのメモ(20ページ更新) 【https://estar.jp/novels/25875424/viewer?page=42&preview=1】  ワタシの目の前に来た時、少女は右手に握るパレットナイフを振りかざした。  左胸に突き刺さる寸前、ワタシは左腕で少女の右腕をつかんだ。  少女の右腕は力を込めていて、ワタシの左手が震えている。こっちの力が少しでも緩んだら……刺される……!! 「それっ!!」  突然、少女は横に倒れた。  マウが側にあったホワイトボードを押して、少女を押し倒したんだ。 「イザホ! 早く逃げようっ!!」  わかってる。ワタシは起き上がろうとしている少女をチラリと見つつも、小屋の出口に向かって走り出した。  小屋からマウと一緒に飛び出した。  後ろを振り返ると、少女も小屋から飛び出そうとしていた。  雪の上を走るのは初めてだった。  だから、なんども転けそうになった。  だけど、転けちゃダメだ。ここで転けたら、あの少女に捕まっちゃう。  胸にパレットナイフを突き立てられてしまう。  とにかく、走らなきゃ。  とにかく、走らなきゃ。  とにかく……とにかく…… 「ねえイザホ、思ったんだけど……裏側の世界の出口ってどこ!?」  マウの言葉を聞いた瞬間、一緒に壁に激突した。
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