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「申し訳ありません。侯爵は夕方にならないとお戻りにならないそうです」  カロルの上司は、カロルが遅刻したことを聞いても怒らなかった。  ただ、ちょっとの間の後に、こう言った。 「ディルとプリスから報告があったよ。花の手配は、どちらも上手くいかなかったそうだ」 「それは…」 「仕方のないことだ。君にも手伝ってもらいたいが、無理はしなくていい」 「分かりました」  電話を切った後、カロルはちょっとため息をついた。  しかし、すぐにその部屋を出て、ロッカールームに向かった。 ・・・ 「今の電話、何か別の意味があると思う?」 「何とも言えません。単に王宮に飾る花のことかもしれませんし…」 「事務室を出た。私はもう行くから」 ・・・
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