終章. Friday

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終章. Friday

朝から少しテンションが高い気がする。 「行ってらっしゃい。今日は早く帰れる?」 そんなに期待してるわけではない。 でも時々。 「帰れるかも知れない。またLINEするよ」 その一言でテンションはまた一つ上がる。 足もなんだか軽い。 満員電車も不快感はない。 (みんなあと1日がんばりましょ!) 自分と周りを、励ましたくなる。 金曜日の1日は早い。 「えぇ…もうお昼かぁ」 「本当、早いわぁ」 「終わらない、ヤバ!」 少し待つと、それぞれの独り言が聞こえる。 焦っている様で、開き直ってる感じ。 (みんなおんなじよね) と思う。 時々、本当にLINEが来る時がある。 「定時で帰れそうだから、たまには食べに行こうか?行きたいとこあったら、考えといて」 一気に、午後のやる気が増す。 時間と勝負の午後。 定時のチャイムが鳴る。 「お疲れ様でした!」 「おぅ、お疲れ〜!」 何だかみんなテンションが高い。 そんな気がする。 もちろん、やり残した仕事もある。 (まぁ、また来週来週!) 楽観的逃避も気にならない。 帰りの電車はやっぱり混んでいる。 (どこにしよっかな〜♫) OLでも主婦でもない自分がいる。 それが、楽しいくて、嬉しい。 「ママおかえりなさ〜い」 元気な笑顔の娘が迎えてくれる。 「ただいま〜(めぐみ)❣️」 つい抱き締めたくなるが、周りの手前我慢💦 金曜日の娘のお迎えは、疲れを消す特効薬! 仕事終わりのビール🍺も分かる。 でも私には、愛する家族が一番❗️ 手を繋いで帰りながら、何処へ行こうか? 娘と一緒に考える。 18:30 玄関のチャイムが鳴る。 「ただいま」 「おかえりなさい❣️」 お出かけファションの二人で、お迎えする。 照れたような笑顔の夫。 「場所は決まった?」 と、それを隠すバレバレの言葉。 すごく平凡だけど。 こんな平凡さえない人達がいる。 そんな安心感さえ無縁の国もある。 新聞社に勤めながら、いつも思う。 この幸せが、来週も続きます様に。 〜 幸せな日常 〜  完。
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