心地いい距離

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一緒に歩く時も、やはり沈黙が流れる。 「いつも、何読んでんの?」 「これ?」 見せてもらったのは、児童書だった。 「弟と妹に読み聞かせしてんだ。なんか、面白いの無いかなって図書館から借りて読んでる。もうこの時間だと帰ってきてるから、勉強出来ないな」 そうか。そうだったんだ。 「ねえ、迷惑じゃなきゃ、遊び相手になろうか?少しでも勉強出来る時間欲しいんだろ?」 「クスッ。構わないよ。でも、昼寝の時間少なくなっちゃうよ?」 「いいよ。家帰ったら、寝るから」 心地いい距離。 ほっといてくれる関係。 俺たちは、ただの幼なじみ。 ただ、それだけ。放課後のこの時間が一番落ち着く。
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