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そして何より、この時間が好きだ。
小さな神社がある。いつも、ここに寄ってから帰る。
「神様ー、いらっしゃいますか?」
誰かがいたら、変な人に思われるだろう。
誰もいないこの神社だから、声出して呼べる。
今日は、いないのか。
「また、お前か。懲りずによく来るねぇ」
ぼんやりと浮かぶように、姿を現した人影。
「よく通る道だから」
「まあ、いいわい。ゆっくりしていきな」
小さい頃から、人には見えないものが見える。
見えるだけで、見えないフリをしていた。
丁度、去年のこの日。
たまたま寄った神社に、神様が住んでいた。
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