0人が本棚に入れています
本棚に追加
一緒に歩く時も、やはり沈黙が流れる。
「いつも、何読んでんの?」
「これ?」
見せてもらったのは、児童書だった。
「弟と妹に読み聞かせしてんだ。なんか、面白いの無いかなって図書館から借りて読んでる。もうこの時間だと帰ってきてるから、勉強出来ないな」
そうか。そうだったんだ。
「ねえ、迷惑じゃなきゃ、遊び相手になろうか?少しでも勉強出来る時間欲しいんだろ?」
「クスッ。構わないよ。でも、昼寝の時間少なくなっちゃうよ?」
「いいよ。家帰ったら、寝るから」
心地いい距離。
ほっといてくれる関係。
俺たちは、ただの幼なじみ。
ただ、それだけ。放課後のこの時間が一番落ち着く。
最初のコメントを投稿しよう!