授賞式

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授賞式

いくつもの輝かしい発明をした博士と助手を乗せた車は、ゆっくりと授賞式が行われる会場に向かって動き出した。 2×××年 毎年のように全世界を脅かす『新しくウイルス』が発生するようになり、博士は沢山の功績を世にだしてきた。 「少人数での移動が義務化されて、博士の発明された『空飛ぶ車』での移動が当たり前になりましたね」 助手は、車から身を乗り出していった 「アスファルトも、ほぼなくなりましたね、博士の発明品の中でも『アスファルトを分解後無毒化になるバクテリア』の発見には、この国だけではなく世界を震撼させましたね」 エメラルド色の道は広がり、所々赤や青空のような花も咲き乱れていた。 「温暖化の影響で、毎年苦しめられた水害を心配しなくて良くなって、もうどれくらいたつでしょう」 助手は、今日も博士の発明品の素晴らしさを賞賛していた。しかし博士は、他に気になることがあり黙っていた。 「エネルギーは、『太陽エネルギーを効率よく集める発明品』のお陰で火力発電、何よりも原子力発電に頼らなくて良くなって・・これはもう人類の悲願でした!」感きわまって助手は、泣き出した。 博士は、近くにあった『ティッシュケース』をただ無言で、助手の方に近づけた。 気持ちが落ちついた助手はいった「博士!そろそろお食事にしませんか?」 そして食事の準備を助手が始めると又『博士の発明品の賞賛』も始まった。 「『毎日の食事を作る事からの解放』されてどれくらい年月がたつでしょう!」 「食事は、今や『バーチャル』が当たり前!『最高の料理!』『最高のシチュレーション!』『最高のパートナー!』で『栄養バランスを考えた食事』を『食べたい時間』『食べたい場所』ただこれらを頭の中で考えればいいんですから・・」 博士は、静かにいった「すまないが・・少し声のボリュームを下げてもらってもいいかな?今、君がここにいるのに、他のパートナーとの食事に切り替えないといけなくなるのもね・・・」 助手は、『はっ』となり口をつむいだ。
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