永遠の愛に微笑む

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― ―――― ―――――――――  一年後 「付き合わないか? 俺たち」 「……え?」  あれから一年がたった。あの子を失った傷は徐々に癒え、少し心が休まって来た頃。相も変わらず、俺と彼女は高校の頃のように友達として遊んでいた。休日に出かけたり、たまにご飯を一緒に食べたり、飲みに行ったり。  けれど、俺の心は彼女に傾いていた。  あの子のことは忘れられない。今でも愛してる。それはずっと変わらない。だけど、今一緒にいてくれている彼女に気持ちが傾いているのは事実だ。  高校の頃からずっとそばにいて、支えてくれて、俺を理解してくれていた。俺が荒んでいた時も、俺を叱って受け入れてくれた。ここまでされて、意識しないわけがない。  あの日、初めて彼女が俺の前で女性の顔をしたときから、意識せずにはいられなかった。  そして一年が経ち、決心をつけて告げた言葉。  今日は休日で俺の部屋でDVDを見ることになっていた。その準備をしていた時に俺から告白した。なんでこのタイミングでしたのか、正直わからない。衝動の様なものだった。  チラリと反応が気になって俺の隣に座っている彼女を見た。しかし彼女は眉を潜めて俺を見上げていた。 「……本気で言ってるの?」  疑うような瞳で見られ、少し驚いた。思った反応じゃなかった。てっきりもっと喜ぶかと思っていたのに。  それに俺はいつものあまのじゃくを発揮してしまった。 「……ま、まあ、お前がまだ、昔の気持ちのまんまだったらの話だけど」 「……私は今も昔も変わらないよ」 「じゃあ……」 「でも、お断りします」  気持ちは変わらないと言ってくれた。なら、と思い一瞬浮かれたのもつかの間。なぜか彼女は俺からそっぽ向いて俺の告白を断った。  それに一瞬絶句したが、そのあとすぐに食い下がった。 「なんでだよ!」  噛みつくように言うと、彼女はふんっとそっぽ向いた。それに以前見せてくれた彼女の表情はない。表情のないよく知った顔だった。 「なんでも。君はあの子が今も好きなんでしょ? 私はあの子の代わりにはなれないもの」 「そういう意味で言ったんじゃ……ッ!」 「はいはい、この話は終わり。早くDVDみよ」 「……ッ」  そう言って彼女は強制的に話を終わらせるようにDVDの再生ボタンを押した。これ以上聞く気がないというのをここぞとばかりに態度で表されて、俺は心の中で憤慨した。  DVDの内容は、高校生同士の純愛ラブストーリーだった。  もちろん、そんな今の俺にとっての胸糞悪い内容は、全く頭に入らなかった。
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