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エピローグ
「おめでとうございます! あなたは天国行きが決定しました!」
目の前にいたカオリさんは、姿を変えて閻魔大王が着るような服を着た美少女になった。切れ長の目が美しいが、まるで別人のようだ。
「実は私、十王様の遣いなんです。あなたが亡くなるにあたって、天国か地獄、どちらに行くか判定させていただきました」
「亡くなる!? それじゃあもう俺は……」
「はい、単刀直入に言えば死んでしまいました。お気の毒です。あなたは可哀想な人生を送られたのだなと思いましたが、私たちは人間が亡くなってからでないと手が出せませんので。でも、安心して下さい。私がこれから責任を持って天国へお連れします」
そうか、天国か。気がつけば眼下には俺だった身体が倒れている。じきに発見されるだろう。あまりいい人生では無かったが、最後に報われて良かった。
それにしても、と思う。お迎えに来てくれたこの娘はかなりの美少女だ。死んだとは言っても、せっかく天国行きになるなら、こんな娘と恋してみたいと思った。
「ところで、お姉さんは彼氏さんとかいますか?」
「こらっ!? 私をからかうと地獄行きにしますよ!」
さらりとかわされてしまった。天国と言ってもなんでもかんでも思い通りには行かないようだ。
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