運命の選択

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「それはも何も、ここまで言えば分かるでしょう。私と浮気してください!」 「う、浮気!?」  突然のことに声が裏返ってしまった。 「はい、私は本気です」  本気と言われても困る。そうだ、子供はどうしているんだろう。 「だって、カオリさんには子供が!」 「そんなの家に置いてきました。ねえ、今首を縦に降ってくれたら、この身体、好きにしていいのよ」  そう言って俺の方に身体を寄せてきた。わずかな香水の匂いと、胸の感触がたまらなく感じた。 「お願い……」  上目遣いに懇願してきた。このまま彼女に身を任せてしまおう。思い人が助けを求めてきたのだから、正当性はこちらにある……、浮気なんてほとんどの人がしているんだ。そう思ったときだ。 ーー彼女はこんなにも積極的だっただろうか?  よくかんがえればおかしい。旦那とうまくいかずワンオペ育児が辛いのはわかるが、カオリさんはそれだけでここまでする人ではないはずだ。 「駄目だよ、旦那さんと話あわなくちゃ。解決できる道がきっとあるよ」  それを聞いた彼女は……
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