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婆ちゃんの遺骨は、実はまだ墓に埋めることができていない。生まれ故郷も、先祖代々の墓も、信州・上田にある。コロナが猛威を振るうこのご時世で、首都圏から地方に移動することはできない。17年前になくなった爺ちゃんと早く一緒になりたいだろうに。遺骨は仏壇の上に、そっと置かれたままだ。
腰が治ったら、真っ先に婆ちゃんに線香をあげよう。そう決めて、僕は寝返りを打った。油断してた。めっちゃ痛かった。悲鳴が出た。父親が『大丈夫かぁ』と半笑いでドアから顔をのぞかせた。
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