4人が本棚に入れています
本棚に追加
母さんはぼくをぎゅっと抱きしめて、ぼくが居なくなってどれだけ心配したかを延々と語っていたが、ぼくがお土産の竹炭をあげると涙を拭いて大変喜んでくれた。
ミトにいつか月へ遊びに行くと約束していたけど、しばらくは母さんのそばから離れられそうにもないな。また宇宙船を借りるお金もないし。
でもまあ、また使者が迎えにくるって言ってたから、もし大丈夫だったら母さんも連れて、月への旅行を楽しみたいな。
そう独り言をつぶやくと、ちょうど赤くなった竹炭がパチンと鳴ったんだ。彼女の返事が遠くから聞こえる気がした。
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!