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「あ、あの、きみ。」
「んー、むにゃむにゃ。何? 何度も起こさないでよ。」
「あ、ごめん。ごめんなさい。いろいろと聞きたいことが。」
この少女はいったい何者なのだろう? なぜ宇宙服を着ないで平気なのだろうか。
「ああ、あなた迷子ね。ときどきここに迷い込んでくるんだよね。わたしの寝室に。」
「寝室? ここが?」
ぼくはあたりをぐるっと見渡してみたが、真っ黒な空間が相変わらず広がっているだけだった。
「あら、あなたには何も見えないのね。ちょっと待っていて、今火をくべるわ。」
パチパチと何かの燃える音がした。そしてパンっと破裂音が聞こえた瞬間、大きな炎が上がり部屋の全貌が現れる。そこには火星の日本人村にあるような和様の寝室があったのだ。
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