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「さーてと!洗濯も終わったし、今日もお仕事頑張ろうねー」
肩からかばんを斜めがけにしてマイルが微笑む。
無視して歩き出すと、マイルは慌てて俺の後ろをついてきた。
俺が1歩踏み出すと、マイルはちょこちょこと2歩出して必死に俺のペースについてくる。
「おー!アンク!マイル!」
オレンジの刈り上げのパッシが声をかけてきてマイルが笑いながら手を振った。
俺は前を見たまま目も合わせない。
「何なに?今日ももうお怒り?仕事に前向きだねぇ!」
パッシに肩を組まれて、俺はその手をさっさと払い除けた。
俺たちは……何て言う存在かは知らない。ただ、多くの感情などを管理する者。
俺は“怒り”。マイルは“笑顔”。そして、この暑苦しいパッシが“情熱”。
仕事に向かうと、俺たちはそれぞれの担当する感情を整理して記録する。
本当、面倒でイライラするばかりの作業だ。
ただ、繰り返して人間が眠れば仕事を終えて家に戻る。
ゴキッと首を鳴らすとすぐ側に居たらしいジョイとハッピーがキャッキャと声をあげて飛び跳ねた。
うるさいのでさっさとその場から退散する。
今日も始まった1日。
実に不愉快な1日がまた始まる。
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