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「アンクー!起きてるー?」
扉の向こうから声が聞こえて仕方なく投げ捨てた服を掴む。
服を被って頭を出したところで、扉から真っ白なふわふわの髪がひょこっと見えて穏やかな笑みのマイルが入ってきた。
「何ー?また怒ってたのー?」
にこにこしながら、マイルは窓に近づいてカーテンを留めると窓を開く。
小鳥がすぐに飛んできて、
「あ、おはよー!」
マイルが微笑むと、小鳥は出窓にとまって歌うような鳴き声をあげる。
楽しそうに小鳥と触れ合うマイル。
舌打ちをして部屋を出ると、マイルは「鳥さん!またね!」とすぐに追いかけてきた。
「今日はねー!かぼちゃのスープにくるみのパンだよー!」
聞いてもいないのにメニューを言って、マイルはすぐにキッチンでカチャカチャと音をさせるとティーポットを運んでくる。
顔を洗って髪をセットして戻ってくる頃にはテーブルの上のカップはふんわりとほのかに甘酸っぱい香りをさせて湯気もほんのり立つ程度になっていた。
「木いちごのお茶!アンク好きっぽかったから」
笑いながらイスに座るマイル。
そんなマイルを見て舌打ちをしてしまう自分にまた怒りが込み上げた。
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