カミングアウト デレデレ編

1/1
前へ
/14ページ
次へ

カミングアウト デレデレ編

「今まで隠してたんだけど、実は私……デレデレなんだ……」    彼女が突然カミングアウトをしてきた。  時々見せるそぶりに、うすうすそんな気はしていた。  というか、デレデレって自分でカミングアウトするものだっけ。   「今まで我慢してたけどもう無理! もっと触れたいし甘えたいし愛されたい! ごめん……こんなこと突然……。嫌いに……なった……?」    彼女は不安そうに言ってくる。  まずは俺の理性が持つ間に抱き着くのをやめようか。   「安心しろ。俺は、お前がデレデレだからって、嫌いになったりしないから」   「本当……?」   「もちろん」    だって。   「俺も実はデレデレなんだ」   「え?」   「もう俺も我慢しない! 俺もお前にもっと触れたいし甘えたいし愛されたい! 毎日おはようのチューしたいしいってきますのチューしたいしただいまのチューしたいしおやすみのチューしたいし、二四時間三六五日くっついて離れたくないし、一日百回くらい好きだ好きだ好きだって叫びたい!」   「…………」   「だから、俺たちお似合いだと思うんだ」    俺のカミングアウトに、彼女は――。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加