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カミングアウト ヤンデレ編
「今まで隠してたんだけど、実は私……ヤンデレなんだ……」
彼女が突然カミングアウトをしてきた。
時々見せるそぶりに、うすうすそんな気はしていた。
というか、ヤンデレって自分でカミングアウトするものだっけ。
「嫌われたくなくて黙ってたんだけど……もう……隠せなくなってきて……。ごめん……こんなこと突然……。嫌いに……なった……?」
彼女は不安そうに言ってくる。
まずはその包丁を下ろそうか。
「安心しろ。俺は、お前がヤンデレだからって、嫌いになったりしないから」
「本当……?」
「もちろん」
だって。
「俺も実はヤンデレなんだ」
「え?」
「お前のことはずっとずっと見てたから何でも知ってるんだ。お前の住んでるアパートの住所も間取りも置いている家具の種類と配置も実家の住所も小学三年生の頃に引っ越した前の住所も携帯電話の番号も仕事用携帯電話の番号も実家の電話番号もSNSのアカウントも俺とのことを書いた裏アカもお前の前の彼氏も前の前の彼氏もその元彼たちの現住所も連絡先も」
「…………」
「だから、俺たちお似合いだと思うんだ」
俺のカミングアウトに、彼女は――。
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