きっかけは突然

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鈴木side ────お前らゲイなのか? 中学2年生の時 仲の良かった山田という、 裏表ない明るさが取り柄の友達に聞かれた 俺は田辺と仲良かった。 中学に入ってからいつも一緒に遊んでた 俺は田辺のことが好きだった 友達として見てるフリをして 男のアイツが好きだった 俺は小学校に入った頃から同性ばかり好きになった 小さな頃は距離感がわからなくて 好きな相手に好きと言ってしまって 「男が好きなんて変だよ」 と言われて友達を無くしたこともある 中学に上がってからは同性を好きということがマイノリティで、周りが理解し難いんだってことに気がついていたから 女の子を好きなフリをした 中学で好きになった田辺とは、 ドキドキを隠して友達として仲良くなっていった 「ゲイ?」 田辺が聞き返した 中学2年の田辺はゲイを知らなかった 正確に言えば男性同士で付き合う人はいるのは知ってたけど ニューハーフとかオカマとかテレビで女装をしてる人がイケメンを見てキャーって言ってるイメージだったみたいだ 田辺は俺がゲイだって知らない 俺は男にしか欲情しない 俺が田辺で夜、抜いてるなんて田辺は知るはずもない 田辺はゲイじゃない ゲイって意味を知らないのがそれを意味する 俺はさ、小学校高学年の時、自分はみんなと違うと気がついて、こっそりネットで、同性愛やゲイのことを沢山調べた ゲイとはそういうものだと、山田に説明されている間 田辺は初めて知った顔で、やがて俺達はゲイカップルと勘違いされたことに気がついて焦りだした 「え?ちがうよ?なんで?」 田辺が山田に向かって否定した 「あ、そうか、ごめん、仲良いからそうなのかと思って応援したいなって思ったんだ、勘違いだった!」 「いやいいよ。」 山田はごめんなー、勘違い!と繰り返した 山田がいなくなってから、田辺は 「ゲイだって。俺達そう見えてたんだね、俺らいつも一緒だし仲良いから勘違いされたな〜」って笑った いや、山田は勘違いじゃない。 山田は勘が鋭いんだ 俺がゲイだって気がついた 俺は田辺に迷惑をかけてしまった 田辺と一緒にいられて嬉しくて つい、隙を見せてしまったんだ 田辺を好きな俺が田辺の近くにいる為には 友達として徹底しなければいけないのに ゲイだってバレてしまってはいけなかったのに 俺は 「凄い勘違いだよなー、ただ、男同士で仲良いだけなのになー」って田辺に笑って見せた ちゃんと笑えてたかな その時、俺の中で決めたんだ、田辺に迷惑はかけない 好きだけど・・・・好きだから・・・・ 友達以上を田辺には求めないって決めた
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