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ホテルに近づく度に心臓がドキドキしてくる
今朝の美和の一言のせいで今日は1日意識してしまって、仕事しながらチラチラ聡を盗み見ていた
聡は何を思いながら歩いてるんだろう
ホテルに向かう道を隣同士歩きながらも気になって横顔を見たくても緊張して聡を見れずに見たい訳でもない街並みを見ている振りをした
「あー、バイト疲れたけど楽しかったな」
「あ、うん」
「来てよかった。美和さんに感謝だ」
「・・・・」
俺の気持ちをよそに、聡は気にしてないかのように何気ない会話をしてくるからだんだん不安になってくる
もしかしたらもういいのかもしれない
バイトで満足して、もうそれでいいと思ってるのかも
帰っても疲れた〜ってお風呂入って買ったお弁当食べて
バイト中に起きたエピソードなんか思い返しながら笑いあって
適当にテレビ見て眠くなったら「そろそろ寝るか」なんて言われるのかもしれない
「?りゅう、どした?」
色々考えながらつい聡の顔を覗き込んでしまい
聡が不思議そうに俺に声をかけた
「あっ、なんでもない!あ、あ、ついね、外!」
「暑いね〜!ずっと建物の中にいて涼しかったから余計に暑く感じる!帰ったらシャワー浴びて〜」
その言葉にドキドキする
聡はただ、汗を流したいだけかもしれないのに
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