バカは腹を割って話したがる

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　社屋は土足なので、靴を履いて廊下に出る。社員は8時半出勤。早くも彼らの忙しい一日が始まっていた。今は10月。4月入社の社員たちも俺の存在には慣れっこになっている。挨拶をしてくる彼らの目線は頭頂部の方に向いている。生え始めた髪がまばらだから気になるのだろう。最近ようやく髪が生えてきた。赤ちゃんみたいなふわふわの毛。あれは赤ちゃんだから可愛いのであって、身長185センチの三十路男が同じ頭になってもひとつも可愛くない。早く元の髪型に戻りたい。髪の生え方にも個人差があるので嘆いても仕方のないことではある。とりあえず二郎君からもらったタオルを頭に巻いた。今気が付いたが、これ打首獄門同好会のグッズではないか。ライブにでも行ったのだろうか。