1.遭遇

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もちろん過去の内部調査におきましても、階ごとに置かれた置物の存在はしかと確認出来ました。 けれどその七階部分──塔の最上階にあります最も美しく最も気品ある“後ろ姿の白亜の女神像”の階だけが、どうしても発見出来なかったのです。 “後ろ姿の”というのは他でもありません。 塔の外──窓から見えるのは、恐らくは女神像であろうという白亜の像の後ろ姿のみ。 その正面の姿を見ようと思いましたら塔の内部に入り、最上階に辿り着くほかありません。 無論、塔内部から階段を普通に上がっていきますと、六階までは上がって行く事が出来ます。 ですがそこから七階へ上がる為の登り口はなし。 天井の形も、『この上はない』とばかりの半球型。 ですが外から七階部分が見える事は紛れもない事実なのですから、確実にその部屋は存在しているはずなのです。 過去にあれほど探索してもその部屋を見つける事が出来なかった為、学会を説得するのは骨が折れましたが、『学会としては一切の協力はしない』という事でようやくの合意を得ました。 一切の協力はしないというからには、もちろん調査の為の費用もお給金も出ませんし、学会の方では何の援助もしてはくれません。
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