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「すんません。ちょっと歳いっちゃってますけど」
「ま、いいわ。ポルシェより娘を選んでくれたからな」
「ポルシェと葉子ちゃんを比べたことなんて、ないっすよっ。なんの話っすか。ほんとにもう~。やっぱお嬢さんに婿ができて怒ってるんすよねっ」
「怒ってねえよ。五月に、広島のご両親がこちらに来てくれるんだって?」
「はあ、北海道北海道って浮かれていましたけど、よろしくお願いいたします」
「特別に腕をふるうって伝えておいてくれ。フルコースだけども気楽に来てくれって。両家でたのしい食事会にしよう」
小豆島を出た後、四国の海岸線を楽しんで、愛媛からしまなみ海道をドライブ、蒼の広島の実家へとご挨拶へ出向いた。
ご両親も、秀星のことをよくご存じだったので、葉子は驚く。それだけ、蒼が大好きな先輩だったということ……。むしろ、その秀星のために頑張って写真集まで辿り着いた女性として、受け入れられた感じでもあった。やっぱり、これも、秀星さんが運んでくれたことなのかなと葉子は思ってしまった。
そのご両親が、北海道までご挨拶にきてくれることになったのだ。
秀星が運んでくれ遺してくれたことが、いっぱい。
秀星さん。ハコ、しあわせになるよ。
ありがとう。
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