監督代行

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7月下旬に入って、全国大会の予選グループ戦および敗者復活戦が1日で行われ、決勝トーナメントの1回戦から4回戦が2日間行われた。 我が校は危なげない試合運びで順調に勝ち進み、最終日の準決勝で勝利して決勝に駒を進めることができた。 決勝の試合前にバレーボール部のメンバーを集めて、僕は話をした。 「皆よく頑張ったね!  次の試合も今までの試合のように皆で助け合って全力で戦ってください。  それから、決勝は厳しい戦いになると思いますが、最後まで決して諦めないで戦ってください。」 僕が話し終えるとメンバーの皆が、 「はい」 という元気な返事をしてくれた。 決勝は5セットマッチで3セットを取ったチームが勝ちとなるが、試合が始まると相手チームと接戦になり、お互いに2セットずつ取って最終セットにもつれ込んだ。 5セット目は相手チームに押されて少しずつ点差が開いていって、22対10と12点も差が開いてしまった。 メンバー皆の顔は疲れが見えていて諦めムードが漂っていて、メンバー同志が声を掛け合う場面も少なくなっていた。 僕はタイムを取ってメンバーの皆に最後の言葉を伝えようと思った。 メンバーがタオルで汗を拭きとって水を飲む姿は元気がなくて、そんなメンバーの姿を見て僕は怒りが込み上げてきた。 そんな時、僕は誰かから話しかけられたような感覚を覚えた。 『和倉君、時には叱ることも必要だよ!』 僕はこの声の主は阿久津監督だと感じた。 (ここで諦めると皆後悔する。) そう思った僕は、声を荒げて怒鳴った。 「何やってるんだ!  まだ負けてないぞ!  もっと声を出して元気よく戦え!」 今まで怒ったことがことがない僕が大声で怒鳴ったことに、メンバーの皆は驚いたようで緊張が走ったようだった。 するとキャプテンが、 「まだ負けてないよ!  最後まで諦めないよ!」 とメンバーの皆に声をかけた。 その声にメンバーの皆が、 「はい」 と元気に答えていた。
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