私なんてそんなもんだ

1/1
前へ
/5ページ
次へ

私なんてそんなもんだ

私は基礎疾患持ちである。 AYA世代で消化器系の癌を患った。 三十代に突入し、突然疲れやすくなった。 だが、職場での毎年の健康診断でも異常はなかった。 三十路になると一気に身体にガタが来るというから、そのせいかと思っていた。 しかし、やはりおかしいと体調に疑問を持ち、病院で診察を受けたが、血液検査も腫瘍マーカーも正常値で、まじめに取り合ってはもらえなかった。 取り合ってもらえたとしても、婦人科に回されて、見当違いな検査をして問題無しとなるばかりだった。 そんな無駄な時間を数年過ごしたある日、私の身体は限界に達し、救急車で運ばれた。 そこで、癌の告知を受けたのであった。 それも、他臓器転移のあるステージ4。 5年生存率も20%以下という状況だった。 延命のための抗がん剤治療をすることになった。 好中球は安定せず、正常範囲外の低さであることが常になり、抗がん剤すらできない好中球数であることも多々あり、外出するにもマスクが必需品となった。 風邪ですら命取りになりかねないからだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加