26人が本棚に入れています
本棚に追加
知らない番号だし、無視するのが一番だよね。
そう考えて宿題を再開しようとしたとき、今度はメッセージの着信音が聞こえて来た。
短い音に反応し、慣れた手つきで画面を操作する。
《高原:朱里ちゃん? 体調大丈夫?》
そのメッセージにあたしは画面を見つめたまま絶句していた。
なんで!?
高原とメッセージ交換をした覚えは、もちろんない。
《高原:既読ついたってことは、読んでくれてるんだよね?》
そのメッセージに慌ててメッセージ画面を閉じた。
心臓がドクドクと脈打っているのを感じ、背中に汗が流れて行った。
なんで高原があたしにメッセージを送ってくるの!?
誰かがあたしのIDを高原に教えたとしか考えられなかった。
ポンポンと続けて送られてくるメッセージに焦り、すぐにブロックした。
ひとまず、これで高原からのメッセージは受け取らなくてよくなった。
でも、問題は誰が高原にあたしのIDを教えたのか、だった。
「まさか、佐恵子じゃないよね……?」
すぐに脳裏に浮かんできた佐恵子の顔。
でも、友達の佐恵子がそんなことをするとは思えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!