ピンクのカラス~お前だけは許さない~

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ビーチにバカンスをしに来ていた。 どこの国、どこの地域までかは分からないが空気はカラッとしていたし、日本の夏のようなジメっとした汗はかかなかった。 個人の予想としては、最近私が行きたがっているギリシャのサントリーニ島のビーチだと思う。 (是非写真でもいいから一度見て欲しい。きっと行きたくてたまらなくなるから。それくらい魅力的。) そしてバカンスにかかせないココナッツジュースやブルーハワイドリンクも飲み放題。 ブルーハワイを飲みすぎた私の肌は青くなった。スマーフのように。 指を舐めてみると不思議なことにブルーハワイの味がした。 魚もブルーハワイを嗜んでいた。赤いカサゴも青色に。 「お揃いだね。」 と笑顔で話しかけられて、ちょっと気持ち悪かった。 そのビーチではアブラゼミとウグイスが同時に鳴いていた。 さらにピンクのカラス達がビーチバレーをしていた。 私はしばらく彼らがビーチバレーをしている様子を眺めてみることにした。 彼らは器用に翼でボールを打ち返し、見事にトスからアタックまで決めていた。 くちばしでボールに穴を開けてしまうおまぬけの姿もちらほらあったが。 その度にくちばしで、つついてつつかれて。何とも素っ頓狂な様子であった。 そんな彼らの様子を見て、私はビーチバレーに参加したくてたまらなくなった。だって楽しそうなんだもん。 勇気を振り絞ってピンクのカラス達に声をかけた。 「私も一緒に遊んでいい?」 「いいよ!カー!」 と言う風にカラスらしい会話をした後、私はピンクのカラス達と共にビーチバレーに参戦した。
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