恐怖の親睦会

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園内のレストランは、まだ昼前の時間帯だからか人はまばらだった。勿論貸切のおかげもあるだろう。レストラン内に入ると数人の生徒が俺たちに気づいて黄色い悲鳴を上げたり、こそこそと嬉しそうに噂話をしている。黄色い悲鳴に顔を顰めながらも、なるべく奥の方の席に座った。 視界の端で、ガタイのいい数人の男子が嫌そうに俺たちを見ているのも目に入った。 やっぱり寮長をよく思ってない人も結構いるらしい。まぁ、普通に考えれば自分と同い歳、もしくは1個2個上なだけなのに家柄で全て決まってしまう世界にいるっていうのは複雑にもなるよなぁ。それに、寮長が現れる場所はキャーキャー騒がしくなるし。 気を取り直してメニューを眺めると、遊園地のレストランだけあって、キャラクターにちなんだ色とりどりの料理が書いてある。キャラクターは皆可愛らしくて、料理名もメルヘンな物が多かったので頼むのが少し気恥ずかしかったが、俺はオムライスとメロンソーダを注文した。 先輩方もそれぞれ注文を済ませる。 周りの生徒たちがヒソヒソこっちを見て喋っている以外は静かになった。元々ここにいる先輩達は自分からベラベラ世間話をするようなタイプではないし——海斗先輩がいればまた違っただろうが——後輩らしく、何か話題を出そうか…俺がそう思い頭をフル回転させていた時だった。 「あれ〜、寮長達じゃん」 少し遠い方から声が聞こえた。 寮長に普通にこんなに軽く声をかける生徒はあまり見たことがなかったので、俺は驚いて声の方を見た。顔が整っていること以外はよく知らない男子生徒が複数人こっちをみてニヤニヤと近づいてきている。 そっちをみて、先輩達が珍しくあからさまにムッとした。 …………もしかして。 嫌な予感が脳裏に浮かぶ。まさか、もしかして。 先日星が言っていた言葉を思い出す。 って仲悪いらしいから——……
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