覚悟

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そのまま何事もなく入学式が終わり、中庭のクラス発表を見て星と同じクラスだとわかり、教室に行こうとすると目の前に人だかりができていた。なんだ?とよく目を凝らすと、イケメンがカワイイ系の男子達に取り囲まれている。 うわうわうわうわ。 全然漫画みたいじゃないと半ば安心していたがついに出会ってしまった。 中心にいるイケメンは恐らくこの学校の中でも人気のある「タチ」なのだろう。その周りのカワイイ系の男子達は「ウケ」であり、つまり親衛隊のようなものだ。 絶対に目を合わせてはいけないと下を向いてあるいていたが、俺の顔をみたのかそれとも星を見たのか、イケメンが「おい」と声をかけてきた。 「は、はい」 どうやらイケメンは歳上のようで、俺らの格好をジロジロと見てくる。 「…お前名前は」 うわーーー!!!やっぱり俺かよ! 俺がいくら中性的な顔してるからって顔で気に入りましたってか?!抱いてやってもいいぜってか?! でも俺は知っている、この手の俺様っぽいイケメンは、反抗すると燃えられてしまうって漫画にかいてた。大人しくしておけば大したことはされないだろう。 「ええと、鷹宮玲葉…」 俺の名前を聞いた途端イケメンが眉をあげる。そして周りの取り巻きもざわつきながら、もしかして鷹宮財閥の…とヒソヒソ話し始める。 ああもう…父親が金持ちすぎると不便だ。贅沢な悩みかもしれないけど。 「鷹宮…?ああ、そういえば雪が新入生にめちゃくちゃ大物が入ってくるって言っていたな」 「はぁ…」 雪って誰だよと心の中で悪態をつく。 「そっちは?」 イケメンが星の方を指さす。 「…桐渓星です」 星の名前を聞くとまた取り巻きたちが騒ぎ始める。 えっ?! なんだその反応!? もしかして星もかなり金持ちなのか? いや、この白爾に入学しているという事は金持ちなのは当たり前なのだけれど。その白爾でざわつかれるという事は、その中でもかなりの金持ちという事だろう。
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