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「はぁ、はあ、もう、びっくりした。急に走り出すから…」
教室の前についたら、星が肩で息をしながら俺を見た。
「ご、ごめん、禁断の言葉を言われそうになったからつい…」
「禁断の言葉…?」
不思議そうに星が聞いてきた。ああそうだ、星は普通の男子だからBL関係の話なんて通じないな。いや俺も普通の男子なんだけど。
星は制服をキッチリ着ているので暑かったのか、肌に少し汗をかいている。息も辛かったのか瞳が少し潤み、王子様度がマシに増していた。
確かに中庭から一気に教室にかけ登ったので行息が苦しい。必死だったとはいえ星は完全に無関係だったのに悪いことしたな。
「…あの、玲葉手を離してくれる?」
そういわれてハッとする。急いでいたのでずっと星の手を握っていた。
高校生で男二人で手を繋いでいるのは明らかに異常だ。恥ずかしくなり慌てて手を離す。
少し照れていると星が俺の方を見つめ、ふぅとため息を付いた。不思議そうに見つめ返すと、2回目のため息。
「どうしたの?」
「なんだか不安になってきちゃった。玲葉って、結構無防備だから…」
「そう?さっきもイケメン回避出来てただろ?」
「…出来てたかなぁ…」
星はまたため息をつくと、教室の中に入る。俺も後ろを慌ててついて行った。
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