鳥かごの彼女

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異性との付き合いは殆ど無いが疑似体験は2回だけあった。
大学の1年と3年の頃に好きになった女性が2人現れたが 恋愛と呼べるものじゃなく僕の片思いで付き合う前段階で終わってしまった。
何れにせよその2人は時間にルーズだったし僕の生活スタイルに懐疑的だったから友達にもなれなかった。
僕にしてみれば勘違いして無駄な時間を浪費しただけで心の傷にはならなかったと思っている。

社会人になってからも仕事や職場付き合いで飲みに行ったりはするが女性と二人きりで飲んだ事はない。
だから恋愛経験はほぼゼロだし必要性も感じていないので無理して女性と付き合おうなんて思わない。
それに元々 仕事が忙し過ぎてそんな時間はないのだ。

しかしこの奇妙な鳥かごの出会いが僕にとって人生最大のターニングポイントになるなんてこの時は1mmも思っていなかった。

この日は鳥かごのカリナと初めてお店のような施設に入った。
僕には珍しくきっちりと待ち合わせ時間を決めていた訳じゃなかったので11時50分に席に着いた。

メニューを見ながら旨そうなランチに目移りし決めかねていた。

暫くすると隣の席に置いた鳥かごに向かって駆け寄る女性が現れ突然しゃがみ込みカリナに向かって話し掛けた。