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「この店にはよく来るんですか?」 注文を終えると僕は彼女に尋ねた。 「...そうですね 月に2・3回くらいでしょうか どちらかと言うと夕食を食べに来ます 夕方からオーナーさんもみえるので」 「ああ 三谷さんでしたね」 「はい ご夫婦には色々とお世話になっています 今は奥様が厨房に入っていらっしゃると思いますが... あの... カリナの事 助けて頂いて本当にありがとうございました」 彼女はテーブルに額が付くほど頭を下げ、そして続けた。 「折角のお休みの日にお時間作って頂き、沖さんにはきちんとお礼をしてお話しなければと思っています」 彼女は背筋を伸ばしながら僕の胸の辺りを見つめ話し始めた。 「あの日は... ...カリナを棄ててしまった日です わたしは朝から霞がかかった様な頭のモヤモヤが取れずイライラを募らせていました たまにそんな風になってしまうのです 特にお薬を飲むと分からなくなってしまう事があるんです わたしは不安と絶望感に苛まれ遺書の様な気持ちでメモを書き鳥かごを持ってアパートを出ました その時の心情は計り知れませんが もし自分の体が失なわれてしまえばこの子の面倒を見れなくなるとでも思ったのかもしれません」
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