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僕は彼女の話した意味の殆どが理解できずナポリタンの味も分からないまま胃の中に流し込んだ。
コーヒーをすすりながら何と言葉をかけようかと考えていると、
「沖さん...
変な話でしょう
きっと理解して貰えないですよね
訳の分からない言い訳で煙に巻こうとしてるって...
そう思われますよね」
彼女はオレンジジュースをストローで吸い上げると何かをリセットしたような顔で また話を始めた。
「実は...
中学の頃 心の病気に罹ってしまって...
これまで入退院を繰り返し良くなったり悪くなったりで今は大学も休学中です
でも最近は状態も良いので復学を考えていました
でも何を仕出かすか分からないので薬は飲み続けないといけないんですが たまに副作用がキツく出てしまうんです
例えば今回のように意識障害みたいな感じです
だから薬を飲んだ方が良いのか悪いのか分からなくなります」
彼女は薄い笑みを浮かべた。
「....そうなんですね
お気の毒だと思います
僕としては結論から申し上げると保護してお預かりしている者なのでお返しするのは当たり前だと思います
でも 貴方がこれからこの子を飼って行くとしてその副作用が心配ですよね
また無意識の内に棄ててしまったら悔やんでも悔やみきれない」
「はい それはもう二度とあってはいけない事です...
ですので沖さんにご相談なんですが...」
「何でしょう?」
「もし宜しかったらこのままカリナを預かって頂けないかと...
もちろんこの子に掛かる養育費はきちんとお支払いします
...如何でしょうか?」
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