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「ごちそうさまでした ほんとに料理上手なんですね 美味しかったです」 彼女は両手を合わせ軽く目を伏せ、 そして続けた。 「沖さんの事少しだけ聞いてもいいですか?」 「ええどうぞ」 「今 何歳ですか?」 「28です」 「結婚されているんですか?」 「え? してるように見えますか?」 「あっ、あまりにも綺麗にされているので じゃ彼女さんがいらっしゃる...」 「いえ、結婚もしてないし彼女もいません 僕の性格です 昔から少しだけ几帳面過ぎるようです」 結婚してたり彼女がいればこの状況はまず無いし彼女の無防備さもかなり危ういと思った。 「わたしの兄は真逆で片付けが出来ない人だったので... そんな風景の中で育ったので男性はそんなものかと思っていました ただそれは中学1年の頃までの記憶なので今の兄は少しはマシだと思いますが...」 「そうですか お兄さんは今 何歳ですか?」 「沖さんと同い年です」 「じゃ瀬野さんは?」 「24です 本当ならもう卒業して就職してる歳なんですが... ...沖さんの実家はどちらですか? この街にあるんですか?」 「いえ、都内で育ちましたがずっと郊外で暮らしたいと思っていました 実は中学の頃から引き籠もりで不登校の問題児でした 家では一日中ゲームをしたりPCをいじったりしてアプリとかゲームとか作っていました それが僕にとって当時は生きがいでした そんな生活を送っていた感じです」 「じゃ高校は行かなかったんですか?」 「ええ、その当時は全く必要を感じなくて... しかも親も何も言わず特に反対しなかった 今考えると本当に僕の事を親は真剣に向き合っていたのか... 疑問ですよね」 彼女はまた微笑んだ。
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