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店に入るといきなり聞き慣れた音色のメロディーで迎えてくれた。 そこには鳥かごのカリナが羽根を鳴らしながら飛び回っていた。 「わっ!カリナ! 久しぶり 会いたかった」 僕は思わず声を出してしまった。 それにひょっとして瀬野さんも来ているのかなと思い辺りを見渡した。 すると厨房から、 「沖さんですよね 三谷の妻です お噂は主人やカリナちゃんから聞いてます 以前チラッとお目に掛かりましたがご挨拶も出来ませんでした すみません忙しい時にお呼びして もう直ぐ主人が来ますので少しだけお待ち下さい」 年の頃は40代で肉付きの良い綺麗な人だった。 鳥かごを置いてあるカウンターに座るとスタッフがコーヒーを運んで来た。 カリナは頭を何度も傾けながら絶え間なく音符を紡いだ。 僕はそんなカリナを目で追いながら彼女の歌に聞き入っていると、 ドアベルが勢い良く鳴り恰幅(かっぷく)の良い笑っている様なガッチリとした顔の男性が入って来た。
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