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「沖さんですね 三谷です あの節は電話で失礼しました」 彼は気さくに握手を求めて来た。 カリナと初めて会った時は客も多くかなり忙しい時間だったので三谷夫妻に会うのは今日が初めてだった。 僕は握手をしながら軽く会釈した。 「沖さん、実はカリナちゃん... 困った事になっているようです かなりシビアーな状況みたいです 詳しい話は妻がしますので...」 彼はそう言うと厨房に消えて行った。 何事かと思いながら暫くカリナを眺めていると、 「沖さん、お待たせしました」 奥さんは私服に着替えていた。 「茜と言います 宜しくおねがいします 時間も無いので掻い摘んで話しますね 昨夜、突然カリナちゃんのお兄さんが慌てて訪ねて来て凄く焦った様子でした 話を聞いている内に私達も驚いちゃって仕事が手につかなくなったんです それはお兄さんに送られて来た彼女からのメールがまさにお別れの挨拶だったからなの」 奥さんはスマホを取り出しお兄さんに転送して貰ったカリナからのメールを僕の前に置いた。
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