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「奥さん... これって遺書じゃないですよね そんな訳ないですよね きっと違う誰かが送った筈です」 僕は祈る様に訊ねた。 「これはカリナちゃんからのサヨナラのメール... 今 お兄さんが心当たりを探しているから何か分かったら連絡が来る筈」 「そんな悠長な事 言ってる場合じゃないと思います 三谷さん... 何かありませんか? 何でも良いので... カリナの心当たりは...」 「そうね...お兄さんにも言ったけど 2日前に鳥かごを持ってカリナちゃんが来たの 気分転換に一泊プチ旅行するから預かって欲しいと言って... 前にも預かった事があるからそれほど気にもしなかった」 「何処に行くって言ってましたか?」 「場所までは... でも確か夕陽が綺麗な丘とか何とか... とにかく忙しくしててじっくり話せなかったの」 奥さんは目を伏せた。 僕は彼女の事を知らな過ぎる自分に苛立ち一刻も早く見つけ出さなければ大変な事になるとダメなイメージだけが過ぎった。 鳥かごのカリナは歌う事をやめていた。
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