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その内に三谷茜と名乗った女性は、
“沖さんの願いはちゃんと叶ったからね”
と言い笑いながら泣いていた。
それから瀬野と名乗る男性も来たが ただ涙を流して謝るだけで全く理解出来なかった。
とにかく混乱し日時の感覚もなく僕の知り合いは変わった人が多いのかと心配になった。
それに僕は学業が気になっていた。
早く退院して授業に出なければ単位を取れなくなると焦り始めた。
その事を母親に問い詰めると思いもよらない話を始めた。
“貴方は随分前に卒業して今は28歳のプログラマーなの
でも人を助けようとして崖から落ちて首を骨折した
それで身体の感覚が戻っていない”
信じられない話だった。
僕は冗談だろうと高を括ったが、確かに体の感覚はずっとなく 周りを見渡すのも頭が動かず目の動きだけの視野でしかなかった。
ジワジワと現実が追いかけて来て もう自力で起き上がる事さえ出来ず死ぬまでこの状態で一生を送るのかと絶望した。
そして夜の闇を恐れ目を閉じる事も出来ず 泣く気力さえも失っていた。
そんな時、
一人 見知らぬ女性が現れた。
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