もしも憂が妊娠したら……

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ごく稀に男性も妊娠する変異体質が突如発生…… と言うニュースが世界中を賑わせていた だけど2000万人に1人と言う本当に低い確率 男が妊娠…… そんな事、自分には全く関係ない話だと思っていた 「憂……」 『ごめん、最近何となく体調が悪くてそんな気分にはなれないんだ』 俺の体を触って来ようとした朔夜の手を握った 「体調が悪い?大丈夫?」 『うん……ちょっとまたバイト頑張り過ぎてたのかも』 「そっか。じゃあ今日はもう寝た方がいいね」 『うん』 けどそれから数日経っても俺の体調不良は全然良くならなくて…… 心配した朔夜は俺を直ぐに病院へ連れて行ってくれたんだ 『……は?今何て?』 診察室で医者に妊娠している可能性があると言われた 妊娠……俺が? ここで今世界中を賑わせているあのニュースを思い出した 日本では現在5人の男性の妊娠が確認されてて…… つまり俺は6人目の男の妊婦かも知れないと 大きな病院じゃないと対処が出来ないと言われ、今直ぐに紹介状を書くと言われた 俺が……妊娠………… その事実に俺自身凄く混乱していたんだ 「どうだった?」 『…………っ』 待合室で待っていてくれた朔夜の顔を見た瞬間泣きそうになった 「憂?どうしたの?」 『ううん……大丈夫。けど紹介状書くって言ってた』 「紹介状?何で?大丈夫なんだよね?」 『…………』 「ちょっと待ってて。話聞いて来る」 『朔夜!』 立ち上がった朔夜の腕を掴み首を振った 『本当に大丈夫だから!帰ってからちゃんと話すから……』 「…………」 それから真っ直ぐにマンションへ帰って来て直ぐに朔夜と向き合った 不安で堪らない…… 俺が妊娠しているかも知れないだなんて何かの間違いだと思った まだ可能性ってだけで確定ではないけど…… 本当にそうだったどうしよう 「大きな病院で何か検査しなくちゃいけない事があったの?」 『……多分』 「多分って何なの?憂の体に何か悪い所があったの?」 『いや、そうじゃないんだけど……や、体調が悪いのは確かなんだけど……』 「じゃあ何なの?医者に何を言われたの?教えて、お願いだから憂……」 『俺、妊娠してるかもって……』 「えっ」 小さな声でそう言うと、朔夜は目を見開いて俺を見つめた .
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