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次の日、朝一番に紹介状に書かれた病院へ
検査の結果が出て直ぐにまた呼ばれた
今度は朔夜も一緒に診察室へ……
「妊娠4週目です」
『4週目……』
エコー写真を渡されこれが胎のうだとか色々説明をされたが俺の頭の中は真っ白で話の内容が何も入ってこなかった
俺はやっぱり妊娠してるんだ
パートナーとよく相談してもらって今後どうするか……と言う話をされた瞬間朔夜が叫んだ
「憂!!俺の為に産んでくれ!!!」
『へ?』
俺の両手を力強く握り床に膝をついた朔夜
「ああーっ奇跡だ!!まさかこんな事が本当に起こってくれるなんてッッ!お願い!幸せにする!俺絶対に2人共幸せにするから!うううっ……っ」
医者が居ようが看護師が居ようがお構い無しに涙をボロボロ流して喜ぶ朔夜
『ちょっ落ち着いて……』
「早速色々準備しなくちゃね!ベビーベッドとおくるみとガーゼ……肌着やミルクにおむつ……ええーっと他には……買わなきゃいけない物だらけだね!今からネットで調べてそれからメモって……
いやっ!その前に部屋の大掃除をしなくちゃ!細かい物が落ちてないか色々チェックしなきゃ!空気清浄機もいるね!
いやっ!ちょっと待ってその前にお腹が大きくなる前に早く結婚式を挙げなきゃいけないよ!ウェディングドレスってお腹窮屈にならないかな?」
『だから取り敢えず落ち着いてよ。一気に色々考え過ぎ』
朔夜がこんな様子だから逆に俺が冷静になってしまう
ってかウェディングドレスって何だよ
だけど本当に不思議……
俺のお腹の中に俺と朔夜の子がいるだなんて
『バイト……辞めた方がいいよな?』
「当たり前でしょ!さっきあの医者も言ってたでしょ!?妊娠初期なんだから絶対に無理しちゃダメだよ!」
『う、うん』
それから色々考え、体調が良くなくて通院しなくちゃいけなくなったと言う理由でバイトを辞めた俺
男が妊娠……まだ数もかなり少ない
つまりそれはかなり好奇な目で見られると言う事だ
「大丈夫、何があっても俺が絶対に守るから。憂は自分の体とこの子の事だけを考えて」
そう言って俺のお腹に手を当てる朔夜
「本当に……ここに俺と憂の子がいるんだよね」
『うん』
「こんな幸せな事他にないよ。どうしよう……嬉し過ぎてまた涙が出てきちゃった」
『朔夜……』
余りにも朔夜が喜んでくれるから釣られてつい俺まで頬が緩んでしまう
だけど……
『俺、ちゃんと産めるかな……俺怖いよ』
俺がそう言うとぎゅっと手を握られた
「そうだよね。不安で堪らないよね……確かに怖いと思うよ」
『……うん』
「だけどこれは本当に奇跡で天からの授かりものなんだ。本当に分からない事ばっかだし怖いけど……俺も出来る限りサポートするし俺が出来る事は何でもする。だから俺にも頑張らせてくれる?」
『…………』
俺は朔夜をぎゅっと抱き締めゆっくり頷いた
「憂、愛してるよ」
『……俺も』
「3人で一緒に幸せになろうね」
そう言われ、優しくキスされた
これから俺の妊婦生活がスタートする
朔夜とこの子の為に頑張らなくちゃ
続く……のか?
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