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二階にドアがあるのは、遠目から見えていたけれど。
私はもしかして、もしかしなくても、この階段を上るのだろうか?
そのドアの向こう側に招待されてしまったりするんだろうか?
え、待って、おなじみの少女漫画やケータイ小説のよくある展開だと、こういう所の奥の部屋ってちょっとお偉い人しか入れないとかいうのない?偏見?
でも、でも待って、大丈夫きっと。
私はここまで無事だった、し。
今日中に帰してくれるって約束、して……いや、無事に帰してくれるなんてことは一言も言われていないけれど。
私は本当に、今日中にお家に帰れるのでしょうか?
ていうかどうしてここに連れてこられたのか、そもそもの理由もわからない。
お決まりの展開なら、偉い人の中にすごく優しい人が一人くらいはいて、助けてくれるっていう展開もあるじゃない!?
この人も優しそうには見えるけど……なんか周りの人の反応からしてきっと怖い人なんじゃないか。
それなら私はその優しそうな人を、ここに入ったらすぐに見つけて、全力で媚びるしか希望はない。
階段を登って二階の扉の前。
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