1.暗夜

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1.暗夜

午前1時16分。 ここを動けるようになるまで約5時間もある。ヒールを脱いで湿った草の上にペタリと座る。冷たかった。たぶん今まで生きてきた中でいちばん冷たい。 さきほどから我慢していた尿意に限界がきていた。座ったままの姿勢でストッキングと下着をおろす。体の中から溢れ出す熱いものを感じながらどうしようもない気持ちになって空を見上げる。 都心とは夜の濃さが違う。降ってきそうな星たちが視界の中で滲んでぼやけた輪郭となっていく。 本当に置いていかれたんだ。
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